お手軽ライティング作戦
ビデオで作品を撮ろうと云う人にとって、全く分からないのがライティングだと思う。照明だけで会社もあるし、すごいプロたちもいる。また、アマチュアにとっては入門書もないし機材だって何処に売っているのかも分からない。
はっきりいって、素人に手の出せる世界ではない。しかし、それなりに何とかしたいと思うだろう。そこで、このコーナーでは、それなりのライティングを考えることにしたい。したがってプロはご遠慮頂きたい。

さてこのフィルターだが、色温度を変化させるタイプのものと、実際に目に見える色として、緑やピンク、黄色などを加える効果用のものがある。効果用のものは舞台のライトに使用されることが多いが、最近は映画でもかなり使われている。ただ、映画やビデオの世界では、照明の色温度に写り方は影響されるので、効果用フィルターで目で見た効果を得ようとする場合、カメラと照明の色温度を整合させた上で、効果用フィルターを使うのが正しい。
とりあえず、以下はリュークロムフィルターとリーフィルター(メーカー名)の色温度変換フィルターの種類である。

安価な照明器具
アマチュアの映像作家にとって、照明器具にお金をかけると云うのにはいささか抵抗があるだろう。そこで、安価に揃う照明器具を紹介しようと思う。また、後半は多少の自作が必要なものもあるが、照明こそ画面を作る最大要素であるので、ぜひ頑張ってもらいたい。
まず一つは欲しいのがクオーツタイプのライト。例に上げたのがRDSのユニフォーカスだ。アマチュアの場合は650Wのもので良い。色温度は公称3200度。灯体価格は\35000-で、ライトスタンドが\20000-程度。照明フィルターは前のバンドアに金属のピンチでとめる。
上記のライト以外に古くから使われているのが、アイランプである。柱や鴨居に挟むエレンクリップが付いたソケット(スナッチと云う)と、ランプ、ランプケージをセットにする照明器具。ランプの色温度は公称3200度だが、実際は3000度程度。
先ほどのクオーツタイプよりパワーはないが、高熱にもならず(触るとやけどするよ)ややソフトだし、自分でランプを選び変えることが出来る。ランプには500W、300W、150Wとあるので、取り替えて使うのが良い。また、ランプにはデーライトタイプのブルーランプもある。照明フィルターはケージの前面にとりつけることが出来る。ただし、ケージの横から光が漏れるので、アルミなどを巻いて使うと良い。
価格もランプが\2000程度で、スナッチやケージも安価だ。
最近プロの間でも蛍光灯ライトが使われはじめた。そこで、自作出来る蛍光灯ライトをご紹介しよう。これは、バッタ屋(失礼・・安売りDIY店)で買った、工事用ランプのソケットに27Wの電球と互換性のある蛍光灯ランプをつけたもの。インバータランプなのでフリッカーは出ない。白熱球の100W程度のパワーを持つ。ただし色温度は高い。
プロの使う蛍光灯ライトはイギリス製(確か?)の高演色デイライト5500度だが、高価なので、アマチュア用とすると、パルックDAY色を選択した。色温度は実際のデイライトより高い感がある。
蛍光灯は発熱量が少ないので、フィルターは蛍光灯に直接貼り付けても使用出来る。やけどの心配もない。ただし、暗い。
この蛍光灯を、アルミケースに数多く取り付けると、優れたソフトライトになる。昼間の室内などの補助光線に使えそうだ。
夜間屋外で使うライトとしては、バッテリーライトがある。カメラに取り付ける小さなものはご存じだろう。ただ、あれでは前からしかライトをあてることは出来ない。パワーがないので、背後からのタッチ(輪郭)を出す照明には使えない。
一つはこのようなパワーのあるバッテリーライトが必要だ。価格は灯体が\27000-でチャージャーとバッテリーで\120000程度。アマチュアの場合、レンタルでこなすのが賢いかも知れない。色温度は公称3200度。12V150Wの球を使っている。
この2点は自作したバッテリー式蛍光灯ライトだ。12Vのバッテリーで点灯するインバーター式である。インバーター基板は秋葉原や日本橋で購入可能なので、多少電気工作に詳しい人なら簡単に作れるだろう。
さて、これ以外にも色々考えられるが、本格的に作品を作ろうと云う人は、自作も含めて考えて頂きたい。また、照明器具だけがライトではない。レフや鏡、白の反射板(カポック)なども立派なライトだ。
特に最近、写真用品店で見かけるワンタッチで広がるレフは優れものだ。
照明の方法
物体に対して、光を与える方法で基本的なものは3点照明だ。ここでは人物を仮定すると、人物に対して3つの光を与えるというものだ。
まずキーライト。主なる光線。設定を表したりするライトだ。このライトによって、人物に明度が与えられ、影を出すことで立体感が表現される。
さて、次が補助光線。フィルライトだ。キーライトが出す影の中を持ち上げて(弱く照らし)コントラストをやわらげるのが目的だ。キーライトよりソフトな光が原則。このライトが新たな影をつくるようでは意味がない。柔らかい光は面積の大きい発光体から得られるが、アマチュアの場合、ライトに制限があるので、小さなレフやトレーシングペーパーを透した光を、カメラの撮影軸に近い所からあてるライトとしておこう。
このままでは背景から人物が浮き上がってこないし、髪の毛のタッチも付かない。そこで、背後の高い位置から、カメラに入らないように照明する光が効果光線で、ここではタッチと呼ばれるライトだ。舞台のサスに近いが、あれほど高い位置ではない。
さてこれが基本3点照明だが、実際は、背景の明度のためのライトも加えると、さらに最低でももう1つライトが必要になる。また人物が2人なら?はい、正解は6灯プラス背景ライト。なんとこれでは手が出ない。
そこで、手を抜くことも考える。たとえばキーライトをソフトにして、タッチのみを人物に与える2点照明なども良いのではないか。その分、背景で遊ぶのも面白い。
ナイターでは、人物の背景に明るい部分を入れれば、バックからあたる光をキーライトとして、顔には弱い補助光をあてればこれで大丈夫。
テレビのスタジオのようにベタベタ光をあてる必要もないし、第一カッコ悪い。時には下方向からの柔らかい光がムードを出してくれることだってある。
セオリーはセオリーとして色々考えてみるのが良いと思う。
ここに紹介した自作ライトや照明の方法は、プロから見れば「何を馬鹿な」というレベルのものだが、アマチュアの場合、HMIライト1台に70万ものお金をかけることは出来ない。しかし、ライティングは必要だ。というジレンマから紹介した。従って、ここでの知識はあくまでも邪道であることは認識しておいていただきたい。
