TRV-06 VIPER series
[バイパー シリーズ]

VR世代カテゴリー 型番 名称
1st generation TRV-06-x
TRV-06k-x
VIPER I
VIPER II
製造組織 製造/出現確認年 制式採用組織
0-plant V.C.0097 DNA

 

■機体解説

「把握し、蹂躙する」戦術偵察機体
 DN社は、バーチャロイドを兵器として最初に実用化する事に成功した地球圏の企業国家である。皮肉なことに、これによってD.N.A.は深刻な問題を抱えることになった。確かにMBV-04テムジンは画期的な戦闘能力を有していたが、既存の兵器でこれに随伴、支援できるものが存在しなかったのだ…

■支援VRの開発

 その草創期において、VRの運用法や部隊構成に関する概念は極めてシンプルなものであった。そもそも、VRは拠点制圧兵器として想定されており、部隊構成はMBV(主戦闘VR)とSAV(支援攻撃VR)の2機種に構成に基づく、とされたいた。

 だが、本来SAVとして開発が進められたはずのライデンが、性能面での完成度は高かったものの、あまりにのコスト高によって量産が絶望的であることが判明した時点で状況が変わってきた(※1)。

 本来の構成に基づく戦隊編成が不可能となった事態を重く見たDN社は、急遽代替SAVとTRVの開発を決定、実行に移したのである。

 前者として実用化されたものが後のSAV-07ベルグドルであり、後者が本頁で取り扱うTRV-06バイパー系列の諸機体である。

※1
HBV-05ライデンの開発コストはなんとMBV-04テムジンの27機分にも相当する。

 

■TRVに求められたもの

 TRVとは、TACTICAL RECONNAISSANCE VIRTUAROID(戦術偵察VR)の略称コードである。その戦術観念は一言で言ってしまえば「把握し蹂躪する」こと。これは従来の強行偵察から比較すると更に一歩進んだ攻撃的概念である。

 想定されるVR戦隊において、中核戦力となるのは間違いなくMBV-04テムジンであった。MBV-04が可能にした従来の常識を遥かに凌駕する高機動戦闘は、それを行うことによって、やはり従来の常識を遥かに超えたペースでの状況変化を伴う。よって、より効率的な戦闘行動を実現するためには、今まさに戦闘が行われている当該戦場における、リアルタイム情報の継続的供給が必要不可欠であることは明白だった。

 その際、ある時は随伴するテムジンとのマンツーマンな情報伝達を、またある時はフィールド・バランスを把握するためのより巨視的な偵察行動をこなさなければならない。

 これらの活動は常に同時進行するため、実践するためにはテムジンと同程度、或いはそれ以上の機動性能を持つ機体による高機動偵察がどうしても必要となる。特にフィールド・バランスの効率的把握の為には、テムジンを遥かに上回る空中機動性能(跳躍を伴う)の獲得が必須だった。

 加えて、MBVとの連携行動を行うわけだから、常に戦闘に巻き込まれる可能性も無視できない。よって武装も相応の強力なものが必要となる。「その場に踏みとどまって戦う」ようなゴリ押しの戦闘方法は好ましいものではない。いきおい、一撃離脱攻撃に最適化された武装が求められることになる。

 

■TRV-06 VIPERの誕生

 上記2点の主要要求水準を満たす機体が、TRVとして理想的なものとされた。

 ここで問題になったのは、最適システムを装備するための機体を新規に設計する経済的余裕も時間的余裕も無い、ということであった。やむを得ず、新型TRVはXMU開発計画(※1)06号機の基本設計プランを基にテムジンのスケルトン・システムを流用する形で開発が行われることになった。その際、戦術ニッチェ上の観点から機動性能の向上が最重要視されたことは言うまでもない。

 このため、まずパワーユニットに関してはジェネレーターアンプの大容量化が積極的に押し進められた。これによりジェネレーター自体がテムジンと同程度の出力でも、瞬発的な機動性能(跳躍力・ダッシュ力等)を飛躍的に向上させることが期待できた。また、徹底した機体の軽量化が行われ、装甲は必要最低限のレベルにまで削り込まれてしまった。どうやらバイパー系列を特徴づける「紙のような」耐弾性能、当初より運命付けられていたもののようである。そして、この面に関しての改善の兆しが見られることは一度としてなかったのである。

 かくして誕生したXTRV-06は、明らかにテムジンを上回る機動性能を実現していた。特に、跳躍時のそれは予想を上回り、関係者を一様に満足させた。その後の諸テストの結果も順調で、XTRV-06はさしたる支障も無く、V.C.96年にはTRV-06として制式採用された、名称も「バイパー」と命名され、順次部隊配備が行われていくことになる。

※1
巨大ロボット兵器開発プロジェクト。エンターテイメント性の極めて高い「限定戦争」において大きな需要があると見込まれDN社が立案した。

 

■SHE'S LOST CONTROLE

 V.c.97年その異変は起こった。演習中のバイパーが、原因不明の事故によって失われる事態が頻発したのだ。

 事故の様子を捉えた映像的資料は皆無、事故機体は自壊(※1)しており解析不能、そして生還パイロットはゼロ。物的証拠に乏しい状況下、原因調査は困難を極めた。

 唯一解析可能なものとして調査班の手元に残ったのは、ボイス・レコーダーであった。引き出された諸データの内で人々の興味を引いたのは、事故当時と思われる時刻に記録されたパイロットの肉声だった。彼はこう叫んでいたのである。

SHE'S LOST CONTOROLE!!制御不能!!(※2))

 おそらくバイパーは、何らかの原因によって制御系が機能しなくなり、操縦不能となった。その結果機体そのものが暴走状態に陥り、しかるべき後に自壊現象を併発した…。推測を裏付けるために、以後、忍耐強い調査活動とテストが継続された。

 判明した原因は構造的な問題だった。バイパーは、自らの瞬発機動性能向上の為に、ジェネレーターに付属するアンプが大容量化されていた。しかし、こうして得られた高出力は、極端なまでに軽量化された機体構造に多大な負荷をかけ、制御系を常に圧し続けていた。特に、これがバーチャロン・ポジティブ(バーチャロン適性値)の高いパイロットの場合、その出力値は予想されていた値をあっさりと越えてしまう。そのときに処理しきれなかった余剰出力が逆流、制御系を破壊して機能不全に陥れ、果ては機体自体の自壊現象をも誘発してしまうのだった。

 実はこのような状況が生じるであろうことは開発当初から予想されていた。しかし、無理な開発スケジュールがたたり、この件に関しては不完全なリミッター設定による対応でよしとされていたのである。要は場当たり的な対応に起因する欠陥が露呈したわけで、DNAは早急な対応策をプラント側に要請した。

※1
「自壊」現象とは、V.コンバータの機能が停止して、リバース・コンバートが解除された状態のことを言う。この時、実体としてのVR機体は消失し、コクピットブロックのみが残されることになる。ちなみに、V.コンバータは、自らをもゲート・フィールドで包み込んでいる。このため、コンバータの活性が極端に低下する等の異常事態が生じない限り、これを外部から破壊することは不可能である。

※2
もともとは「舵が効かない」という言葉から来ている。別にバイパーを女性視しているわけではない。



 
■VIPER IIの成立

 致命的欠陥が明らかになったバイパーは、一時廃用案も出た。が、現実問題として代替機種の目処が立っているわけでもなかったし、TRVの必要性は痛感されていた。

   そこで、まずは部分的な改修によって事態に対応する方向性が提案された。しかし対処療法的な作業による成果は芳しくなかった。そのため改修作業の内容も抜本的なものへと方針変更されることになり、特にF型以降に至っては開発チームのスタッフが総入れ替えされることになった(※1)。同時に型番もTRV-06kへと改称された。

   新体制のもと、バイパーの構造は徹底的に見直され、また背部に装備された自律放熱バインダープレートの機能も強化された。次々と施される補強作業は機体重量を増加させ、外観的にも大きな変化が生じた。このため、V.C.9b年になると、機体名称は「バイパーII 」へと変更された。

※1
憶測ではあるが、セガ社内開発スタッフの中で実際にバイパー担当者が変更されたりしたのではないだろうか?あくまで憶測である。

 

[VIPER SERIESの変遷]
XMU-06-A VIPER I ver.α
TRV-06-E VIPER I
TRV-06k-H VIPER II
●XMU-06-A VIPER I ver.α
バイパーIは、後の「II 」に比べると設計面での不備が多い。これは、MBV-04のスケルトンシステムの安易な流用が強要されたためである。

●TRV-06-E VIPER I(改修型)
S.L.C.現象が観測されるようになってからバイパーIには様々な改修が施されていく。しかし、それは対処療法なものに終始していたので、抜本的な解決にはならなかった。

●TRV-06k-H VIPER II
この時点で機体名称は「バイパーII 」へと変更された。抜本的なスケルトン・システムの補強が行われたので、全体に線が太くなっている。

 

■S.L.C.DIVE(SLCダイブ)

 V.C.9d年に制式採用されたバイパーII は、機体重量の増加に伴い、機体性能はバイパーI よりも劣った。しかし、その代償として得た安定性はなにものにも代え難かった。
 それに、本機を特徴づける極めて特殊な機能である「S.L.C.ダイブ」が付加されたことは無視できない。

 バイパーの背部コンバーター左右に装備された翼状の強制放熱バインダープレートは、揚力を発生するものではなく、専ら同様の特徴である超高機動運動に伴う高効率放熱の需要に基づいて装備されたものである。V.コンバータに関しては、VRの実用化以前から観測されていた特異な動作があり、俗に「自律放熱反応(※1)」と呼ばれている。

 放熱原理に関しては未だ解明されていない部分が多いが、V.コンバータ展開時に特異的素材の放熱バインダープレート(放熱時に形状は相関しないようである)をコンバータに直結・展開することによって、飛躍的にその放熱効率が高められることが経験則的に知られていた。バイパー系列は、最初にこの現象を装備に応用した機体なのである。

 バイパーがバイパーII に移行する際、当初このバインダープレートは撤去することも検討された。それは自律放熱反応を増幅させると、その副作用としてM.S.B.S.を介してのフィードバック作用でパイロットに大きな精神負担をかけることが確認されたためである(※2)。

 しかし、後になって、機体の暴走現象を解決するためにはプレートの機能を積極的に利用すべしとされかえって強化されることになった。この結果ジェネレーター・アンプのオーバードライブ状態から生じる逆流エネルギーは、プレートを介して機体外周に紡錘フィールド状に展開されるようになった。この間、機体は制御を失ってしまうわけだが、その寸前にロックされた目標に向けての慣性飛行は可能なので、ダイビング状態からの体当たり攻撃へと移行する。

 紡錘フィールドの効力は絶大なものがあり、現用VRに搭載されている程度の火器では全く歯が立たない。ジェネレーター・アンプからの余剰出力逆流現象自体は、度重なる改修作業を経ても遂に払拭することができなかったわけだが、これをうまく転用する方向性で解決策が模索され、遂にその目的が完遂されたのである。

 極めて乱暴なこの攻撃方法は、初期型機体で生じた数々の悲惨な事故にちなみ、犠牲者の最後の言葉をとって"S.L.C.DIVE"と名づけられた。

※1
「自律放熱反応」これは、VRが跳躍機動やダッシュ機動等の、駆動系に大幅な負担のかかる挙動を行った最や大出力火器を使用した場合に起きるもので、平常時は密閉されているV.コンバータが自発的に展開、内部機構を露出することによって行われる急速放熱である。この放熱行動は、パイロット側のいかなる制御にも拘束されず、V.コンバータの自律的反応として観測され、そのブラックボックス的性質を象徴している。

※2
よって第一世代型VRの6種の制式採用機体の内、このバインダープレートを装備したものは他にない。

 

■兵装解説

 

[Revenant ver.1.666]
jury社の多目的ビームランチャーはM.P.B.L.-7よりも小型だが、性能面では勝るとも劣らぬポテンシャルを有する。
ブレード機能が追加されたのはVer.1.6以降である。

[BL-c04]
バイパーの胸部ランチャーは、ジェネレータに直結する事で高い攻撃力を発揮することができるようになった。

 

■関連用語解説

●jury社

[Revenant Ver.1.666 MULTIPUR ARM LAUNCHER]の製作元

●deploiux社

[BL-c04 HOMING BEAM LAUNCHER]の製作元
コンバータ直結型の兵装が専門分野のようで、SRV-14フェイ・イェンの
[BL-c04 Type-f "Love Heart"]も同社のものである。

●M.P.B.L.-7

テムジンの主兵装である大型ビームランチャー。開発元はdetmers社。
MBV-04・テムジンの項目、もしくは10/80を参照。

●YZR-540SH


 YZR-540系統の機体の基礎となった機体。遠隔地のからの迅速な戦線投入が可能なVRを実用化することを目的とし、第一世代型VR「TRV-06バイパー」をテストベッドに開発された意欲的機体。航空機への変形機構を導入することが検討された最初のモデルである。>>機体解説

●RVR-40/YZR-540TGS TGS-VIPER


第一世代型VR「バイパー」の流れを汲む機体。第六プラント「サッチェル・マウス(SM-06)」の開発主任「アイザーマン博士」により設計された。爆装が強化されている。デボラ機の”エブリン”は、薔薇姉妹の編隊の右翼を担う。>>機体解説

●RVR-40/YZR-540TGS TGS-VIPER


第一世代型VR「バイパー」の流れを汲む機体。第六プラント「サッチェル・マウス(SM-06)」の開発主任「アイザーマン博士」により設計された。爆装が強化されている。デボラ機の”エブリン”は、薔薇姉妹の編隊の右翼を担う。>>機体解説

 

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